ヨーロッパと中国での『人気』の違い

今やアニメは国境を越え、世界中で愛されるコンテンツになりました。
しかし、国によって人気のあり方が違います。

フランスでは「古きもの」を大事にする文化があり、建物にしても大事にしながら使い続ける習慣があります。
アニメも同じで、新しいものも当然のことながら受け入れますが、古いアニメに対しての思い入れが強いです。
フランスに限らず、子供のころに見たアニメを大事にする傾向があります。

逆に中国では政府が文化開放し、アニメ産業支援に力を入れ始めてから日が浅いこともあり、「今ネットで人気があるもの」に偏る傾向が見られます。
ネットで人気がある、ということが重要な鍵になってくるわけです。

地上波(衛星番組含め)TVでは規制が素晴らしく多く、ゴールデンタイムでの日本のアニメの放送はできなくなりました。
その結果として、インターネットでアニメを見ることが習慣化したのだと見る研究者もいるようです。

中国インターネットネットワークインフォーメーションセンター(CNNIC)の2015年の調査報告によると、ネット利用人数は約6.88億人、ネット普及率は48.8% 利用年齢層は10-40歳の間がメイン、人気サイトは「baidu.com」「QQ.com」「youku.com」「bilibili.com」「weibo.com」「taobao.com」など 。

中国の配信サービスはおおよそ3つの種類に分かれます。
1)bilibiliを代表として、無料サービスを徹底するサイト(自主献金~要するに課金~は認めるタイプ)。
2)youkuやletvのような、動画の先頭5分か10分だけ無料、その続きを見たいなら有料のタイプ。
3)tudou(土豆)やテンセントの動画サービスなどがそうで、動画自体は無料だが、動画の中に長時間大体2分から3分程度のものが2、3回ぐらい)のCMを強制的に見させ、それが嫌ならCM免除のサービスを購入するタイプ。

現在中国では競って「最新アニメ」の放映権を取得し「正規アニメ」としてネットでの放送に力を入れています。
またドラマなども規制の多いテレビではなくネットドラマでヒットを飛ばす例も出てきています。
中国では近代になって『稼いでもいい』ことになりました。
中国人は商魂たくましく、お金の使いどころや『今』というタイミングを見るのに長けています。
そういった中国人の性質もあって「今流行っているもの」を追う傾向にあると見ています。

『聖闘士星矢』を例に取ってみましょう。
フランスでも中国でも「聖闘士星矢」は知られています。つまり、知名度はあります。
個人的に面白いと思うところですが、中国では「知名度」よりも「集客力がある」ことを優先する傾向にあります。言い換えれば「知名度≠人気」なのです。一方、フランスでは「知名度=人気」と見ることができます。

フランス人にとって、聖闘士星矢は30-40代の人が10代の頃にテレビで見た懐かしいアニメです。
古いものや思い出を大切にするフランス人にとってはまだまだ「人気がある」と言えます。
では中国は?というと、聖闘士星矢は一部の人が言うほど絶大な人気があるわけではありません。
この春中国で公開された映画3DCGアニメ「聖闘士星矢 Legend of Sanctuary(略称:LoS)」が注目を集めましたが、「懐かしい聖闘士星矢を見よう」と言うよりも、「新しいアニメ映画を見よう」に近かったかと思います。
(聖闘士星矢の中でもハーデス十二宮編やΩ、黄金魂はまだ「最近」のアニメに入ることもあり、映画への注目度に貢献したと言えなくもないかもしれません)

次回は、フランスでの聖闘士星矢人気に関して、もう少し触れてみたいと思います。

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